「さえ」「も」「まで」

(1)「さえ」「も」は [N+(助詞)+さえ/も]、[辞書形+の+さえ/も]、[疑問詞…か+さえ/も]

の形で、あげられるものごとが他のことに比べて特殊・意外であることを表します。

a. 健は語学が得意で、ポルトガル語さえ話すことができる。

aでは他の言葉に比べて珍しい言語を話せることを表し、そこから、普通と考えられる英語などは当然話せるということを暗に意味します。

 

(2)「まで」も [N+(助詞)+まで]、[辞書形+の+まで] の形で、「さえ」「も」と同様に意外性を表します。

b. 健の論文の出来はすばらしく、教授に{さえ/も/まで}ほめられた。

「まで」が動詞に接続する場合は様々な意味を持ちます。特に[V-てまで]の形をとるとき、Vのことが極端であり、「普通の場合、それはしたくない、すべきではないことである」という意味を表します。

c. 休日をへらしてまで、仕事をする必要はない。

 

(3)「すら」も「さえ」とほとんど同じ意味で使われます。「すら」は書き言葉に多く用いられる表現です。

 

(4)「さえ」は条件文に用いられることもあります。[N(+助詞)さえ…たら/ば]、[連用形+さえしたら/すれば]、[V-てさえ…たら/ば]、[疑問詞…かさえ…たら/ば]の形で、あるものごとが実現すればそれで十分で、他は必要がないことを表します。

d. 辞書さえあれば、スペイン語の本を読むことが出来る。

dではスペイン語の本を読むためには辞書があればそれだけでよく、他に何もいらないことを表します。意外性の「も」「まで」は、条件文には用いられません。